My Rustic Style

好きなデザインで、お気に入りの空間作り。

Italian techniques

 

ずっと前からStucco(スタッコ)の壁が好きで、イタリアやフランス、地中海の建築デザインに憧れていた。Earthyでオーガニックで、古(いにしえ)の温かみのある壁の陰影に、ほっこりとする。そこに古いタイルだったり、使い込まれた木の床が広がると、これはもう長い年月を重ねてきたものでしか表せない、何かこう尊くて愛おしい空気が生まれるのだから不思議である。

だから、そんな柔らかな空間作りに近づきたくて、家のリフォームをするにあたって壁は絶対にStuccoにしたい!と、夢見ていた。

しかし、いざリフォームを始めてみると、Stuccoの壁つくりが結構面倒臭いものだという現実にぶつかり、悩んだ。悩んだ結果、それでも諦められず、結局、ライム・ウォッシュ・ペイントという塗料に辿りついた。

 

 

ライム・ウォッシュ・ペイントは、天然の土状鉱物(石灰=ミネラル)を含んでいるので、人にも環境にも優しい。ミネラルの表面は、入ってきた光を分解して屈折させることが出来て、それが独特の発光性を生むそうだ。一般的に使われるアクリルやラッテクス系のペイントでは出せない味わいとのこと。

 

 

LUMINESCENT AND RADIANT LIME WASH PAINT

Lime Wall Paint, a textured wall paint that can be used on the interior or exterior, coupled with the natural earthen mineral pigments refracts light in a unique way. The mineral surface breaks up incoming light and refracts it in every direction. This luminescence across the mineral surface adds character and a glowing effect to every wall.

Lime Wall Paint is a specifically formulated texture paint to allow the lime to gently “bloom" creating soft tonal variations which add depth, texture and a velvety suede like effect. This soothing radiance cannot be duplicated by any acrylic or latex paint.

 

www.jhwallpaints.com

(J.H. Wall Paintsより抜粋)

 

 

 

 

そんなライム・ウォッシュ・ペイントだが、早速、地下室の壁に1回目のコーディングが施された。

塗装された直後の様子。



 

翌日、乾いた後。

コーティングは2回、好みで3回と続くので、色やテクスチャーの感じも変わっていくと思うが、既に初回から良い感じである。オーガニックでRAWな感じが出ていて、私だけでなく、夫もリフォーム業者のおじさん達もおお~と喜んでいる。笑

 

 

最近購入したばかりのItalian Rusticというインテリア・デザインの本。

 

この本を読んでいるのだが、壁の章に、”ライム”という言葉が多く出てくる。

Italian techniques

本によると、イタリア建築の伝統的な壁の塗装技術では、Intonaco(1回目の塗装)、Colletta(2回目の塗装)、そして最後の塗装があるそうで、砂とLime(石灰)を水でゆるめたものを塗るのが1回目、2回目は1回目同様、石灰やセメント、粒子の細かい砂を水でゆるめたものを塗装し、最後にテクスチャーをつけたり、スムースなフィニッシュにするとのこと。

 

つまり、今回、地下室用に購入したライム・ウォッシュ・ペイントは、このイタリアの伝統的な塗装技術を、現代用に簡素化してペイントにしてしまったという訳だ。

まさかの偶然というか、単なる私の調査不足だったのかw

多少高額ではあっても、本当にこのペイントにして正解だったと思う。

 

大きなブラシでXを書くようにペイントしていくので、おじさん達も大変そうだ💦

 

 

 

まだ左側の壁にペイントされていない時の画像。

 

 

塗装後。

 

 

 

 

本によれば、3回目の最終塗装では、色や非常に細かな砂を混ぜ入れて、好みのフィニッシュに仕上げるそうだ。この技術はローマ時代から続いている伝統らしい。その後、火山灰や石灰だけでなく、光沢のある大理石やクウォーツなども混ぜ入れる新しい技術が、16,17世紀のベネツィア地方で生まれたとのこと。ここから、ベネツィアン・プラスターと呼ばれる壁の塗装技術が名づけられたという。面白い!

 

 

 

地下室のバスルームの壁は、マイクロセメントという塗料を使うのだが、この塗料にも非常に細かなセメントが混ざっているので、ひょっとすると、これもまたイタリアの技術を簡素化したペイントなのかも知れない。

 

 

そうそう、バスルーム用の水栓やシンクも届いた。

sink and faucet



 

 

 

 

早いもので、数日前に母の一周忌を迎えた。

 

未婚でシングルマザーとして私を生み、育ててくれた母だが、残念ながら、母との関係は決して良好とは言えなかった。とにかく、理不尽なまでに厳しい人で、子供ながらに母を好きだと思ったことがほとんどなかったのだ。

父(養父)が急死した後、慣れない日本で母の介護をしたのだが、母の心無い言葉に傷つき、毎日泣きながら介護をしていた。ただ、今思えば、衰弱していく母は色々と判断力や考える力を失っていたのだと思う。その時もわかってはいたのだが、母の投げてくるきつい言葉を寛容に受け止めきれず、何度も何度も訪問看護師さんやヘルパーさん達には慰めと励ましを頂いた。彼女たちには感謝してもしきれない。

 

私がよく料理をするようになったきっかけは、母の存在が根底にあると思う。

母の料理はいつも同じような甘辛の味で、焼き物は決まって真っ黒く焦げていた。子供の頃作ってくれたお弁当と言えば、見事に茶色いものばかりで、卵焼きも黒く、よく友達に揶揄われたものだ。だから、反面教師で、自分の家族に作るお弁当は彩りがキレイで美味しいものをいっぱい詰めてあげるように気を付けた。お陰様で、今でも家族たちは、小中学校での楽しかった思い出の一つにマムの作ってくれたお弁当を挙げてくれる。

 

そんな母が生前、アメリカに来てくれた時に喜んでくれた料理の一つが、手作りのクリーム・パフ(シュークリーム)だった。

アメリカでは滅多にこのクリーム・パフを見かけることは無いので、自分で作るしかなかったのだが、「こんなお菓子も作れるの!?」と嬉しそうに食べてくれたのだ。

だから、母を思い出しながら、久しぶりにクリーム・パフを作ってみた。

久しぶりのCream Puffs

 

今回参考にしたレシピは、ラデュレのレシピ。

ラデュレと言えば、日本に行くと必ず銀座の三越のラデュレでお茶を頂くのだが、今回のヨーロッパ旅行中、家族がパリのラデュレでランチを食べている画像を送ってくれた。羨ましい!!

おやつの時間。

 

良好な関係とは言えない親子関係だったが、それでも母が愛してくれていたことはわかっていたし、孫たちにとっては大好きなばあばだった。

亡くなる2週間前に突然、「地獄には行きたくない」と言い始め、私の手を握りながら、私の朗読する聖書に耳を傾け、共に祈り、泣きながらイエス様を受け入れた母。

そして彼女の死後、彼女が天国(と思われるところ)で、大勢の人たちと一緒に幸せそうに大声で歌を歌っている夢を見た。

だから今、私の心の中には痛み以上に、あたたかな平安がある。

母を看取れて本当に良かった。

 

 

参考までに。

ラデュレのレシピ本は、ラデュレのお店でも売っているが、そこに掲載されているレシピだと、パフ(シュー生地)がしっかり固めの焼き上がりになる。

案の定、少し硬いクリーム・パフになった。

 

 

 

今度の日曜日、仲良しの友人のお子さんのウェディングに出席するのだが、夏の着物を着ようか悩んでいる。どうしようかな。

 

それでは良い1日を!